金曜日の株式市場は下落し、S&P500は3営業日連続で下げを記録。投資家は地政学的リスクの高まりを背景に、リスク回避姿勢を強めている。イスラエルとイランの間で続く一連の紛争は、日曜日に重大な局面を迎え、米国がイラン国内の3つの核施設に対して攻撃を開始し、戦闘に加わった。緊張が高まる週末を前に、投資家のセンチメントはすでに慎重に傾いていた。
特に、半導体メーカーに対する輸出許可の取り消しの可能性を示唆する報道が出たことで、主要ハイテク株には売り圧力がかかっていた。中東の軍事衝突が世界の政治的安定や経済成長に与える影響に対する不透明感が、連邦準備制度理事会(FRB)関係者による7月の利下げを示唆する発言を相殺する形となった。市場は現在、地政学的危機がさらに深まる可能性を織り込みながら、大幅な変動に備えている。
主なポイント:
地政学的な不確実性が続くなか、ダウ平均はわずかに上昇。ダウ工業株30種平均は金曜日に35.16ポイント(0.08%)上昇し、42,206.82で取引を終えた。中東情勢の緊迫化と市場全体の軟調な動きにもかかわらず、同指数は週間で0.02%の小幅上昇を記録した。
一方、S&P 500は0.22%下落して5,967.84で終了。これで3日続落となり、週次でも0.2%の下落を記録した。
ナスダック総合指数は0.51%安の19,447.41で取引を終了。米国が一部半導体メーカーへの輸出免除を撤回する可能性があるとの報道を受け、半導体株が主導して下落した。
欧州株は金曜日に反発したものの、週全体では軟調な展開となった。市場の注目は引き続き、イスラエルとイランの間で激化する敵対行為に向けられている。欧州全体のStoxx 600指数は金曜日に0.1%上昇したが、週間では1.5%の下落。
英国のFTSE 100は週を通じて0.86%下落し、8,774.65で引けた。5月の小売売上高が2.7%減少し、個人消費の先行き不透明感が圧力となった。ドイツではDAXが金曜日に1.27%上昇。5月の生産者物価指数が前年比で1.2%低下し、市場予想通りの結果となったことが支援材料となった。
フランスのCAC 40は0.5%上昇し、1カ月ぶりの安値から反発。3日続落を回避した。イタリアのFTSE MIBも0.74%の上昇で引けた。地域紛争の激化リスクが意識されるなか、投資家の慎重な姿勢は続いている。
アジア太平洋市場は、金利据え置きと地政学的緊張の高まりの中でまちまちの動きとなった。
金曜日、アジア太平洋の株式市場は方向感に欠ける展開となり、中国の金利が据え置かれたことや、中東情勢の不透明感が影響を及ぼした。日本では、Nikkei 225が0.22%下落して38,403.23となり、Topixも0.75%下落。5月のコアインフレ率が3.7%に上昇したことへの懸念が重しとなった。
一方、韓国のKospiは1.48%上昇して3,021.84とし、約3年半ぶりの高値を記録。Kosdaqも1.15%上昇するなど、投資家心理は改善傾向にあった。中国本土ではCSI 300が3,846.64で横ばい、人民銀行による主要貸出金利の据え置きが材料視された。香港のHang Seng指数は1.26%上昇し、地域内で際立つパフォーマンスを示した。
オーストラリアのS&P/ASX 200は資源株への売り圧力により0.21%下落。インドではNifty 50が1.05%、Sensexが1.13%上昇し、国内機関投資家による買い支えが顕著だった。
週末、米国がイランの核施設3カ所を空爆し、イスラエルの軍事行動に加勢したことで、中東紛争は一段と激化。これを受けて、原油市場は週明けに大きく反発する見通し。外交的解決を期待して金曜に2.13%下落し、77.17ドルで引けたブレント原油は、供給中断リスクの高まりを背景に反発が予想される。湾岸地域のエネルギーインフラに対する報復リスクが意識され、イランがOPEC主要生産国であることを踏まえると、今回の米国の関与はエネルギー市場に新たな地政学的リスクをもたらしている。
米国債市場では利回りが低下。10年債利回りは4.379%と1ベーシスポイント以上下落し、2年債利回りも3.908%へと3ベーシスポイント以上低下。FRB理事クリストファー・ウォラーはインフレの沈静化を背景に、7月の利下げの可能性に言及。中東情勢の緊迫化を受け、安全資産への資金シフトも進行している。
為替市場:

EUR/USD は強気の構造を維持しつつ上昇を継続。金曜日の終値は1.1517で、日中高値は1.1543、一時1.1489まで下落したが、その後は強く反発。6月のブレイクアウト水準である1.1450超を維持し、強気トレンドを継続。50日SMA(1.1359)、200日SMA(1.0842)を下支えに、直近の上値抵抗は1.1600付近。1.1450を下回ると反落の可能性が高まる。
GBP/USD は小幅に下落しつつも50日SMA上を維持。金曜終値は1.3449で、1.3511の抵抗突破に失敗。50日SMA(1.3397)を下回らない限り強気継続とされるが、1.3550を明確に上抜けなければ調整局面入りのリスクが残る。下値は1.3400、次に1.3300が意識される。上方ブレイクなら1.3700が視野。
USD/JPY は146.00を突破し、6日連続の上昇。終値は146.15と約2カ月ぶりの高値。日中高値は146.17、50日SMA(144.06)を上回り、強気構造を維持。次のターゲットは147.00および148.50。サポートは145.50、これを割り込むと上昇トレンドに黄信号。144.00を維持できるかが重要。
USD/CAD は1.3735で取引終了、4日連続の上昇で5月末以来の高値。1.3746の高値を付け、50日SMA(1.3801)接近。ここを上抜ければ100日SMA(1.4043)までの上昇が期待される。ただし、広いトレンドでは依然として弱気圧力が残っており、1.3680割れは再び1.3600が視野に入る。
AUD/USD は0.49%下落し0.6449で週を終了。50日SMA(0.6438)付近で下支えを試す展開。今週の0.6550での反落により、コンソリデーション傾向が強まった。0.6435割れなら200日SMA(0.6428)、さらには0.6370がターゲット。ブル派が再主導権を握るには0.6500の回復が必要。
ゴールド(XAU/USD) は$3,371で取引終了。1日の上昇幅はわずか$1だったが、$3,375近辺でのもみ合いは上値ブレイクの準備とみられる。50日SMAは$3,309で、価格は依然として$3,300超を維持。$3,375超での上放れが確認されれば、史上高値圏の$3,450が次のターゲット。サポートは$3,340および50日SMA。
週明けの市場は緊張感の中で始動した。週末、米国がイランの核施設を空爆し、イスラエルとイランの対立が激化したことで、中東全体の不安定化リスクが急速に高まっている。
先週は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げの可能性を示唆する発言と、地政学的リスクの拡大が交錯する中、市場は慎重なムードのまま週を終えた。今週は原油価格の反発が見込まれており、金価格も直近高値圏にとどまっている。こうした状況下で、紛争が一段と深まれば、安全資産への資金流入が加速する可能性がある。
トレーダーは、今後発表される米国の経済指標や、FRBを含む主要中央銀行関係者の発言に注目しており、7月の金融政策に関するヒントを探る展開となる。ただし、短期的な市場の方向性は、中東情勢の推移に大きく左右される展開が続きそうだ。




