木曜のウォール街はまちまちの展開。アルファベットの好決算がナスダックとS&P500を史上最高値へと牽引。一方で主要企業の収益未達がダウ平均に下押し圧力を与えた。アルファベットの決算後の上昇が、テスラとIBMの第2四半期決算の失望による下落を相殺。市場全体の熱気は、関税発動に伴うインフレ加速の兆候や、米欧間の貿易交渉に対する慎重姿勢により抑制された。ただし、AI主導の成長期待や失業保険申請件数の減少、企業活動の拡大を示す堅調な経済指標が、テクノロジー株およびリスク選好を下支え。

主なポイント:

ナスダック総合指数とS&P500は、アルファベットによるテクノロジーセクター全体のセンチメント押上げにより最高値を更新。ナスダックは0.18%上昇の21,057.96、S&P500は0.07%上昇の6,363.35を記録。両指数とも新高値を更新。アルファベット株は好決算を受け1%上昇。EPSは2.31ドル、売上は964億3,000万ドル。

テスラとIBMの決算ミスによりダウ平均は300ポイント超下落。ダウ・ジョーンズ工業株平均は316.38ポイント(0.70%)安の44,693.91。IBMは予想未達の収益で7.6%下落、テスラは2四半期連続の自動車収益減少と予想下振れで8.2%安。

ECBの金利据え置きとPMIの乖離により欧州市場はまちまちで終了。Stoxx600は0.24%高の551.56、Euro Stoxx50は0.3%高の5,359。ロンドンのFTSE100は0.85%高の9,138.37。フランスCAC40は0.5%安の7,813、イタリアFTSE MIBは0.2%安の40,600。ドイツDAXは0.1%上昇。ユーロ圏PMIは51へ上昇、サービス業の強さに対し製造業は依然縮小。ドイツのサービスPMIは50.1、製造業は49.2。フランス総合PMIは49.6、英国は製造業改善により51.2。

アジア市場は貿易期待と地域経済の堅調さを背景に上昇。日本TOPIXは1.75%高の2,977.55、日経225は1.59%高の41,826.34。サービスPMIの安定と貿易懸念後退が寄与。韓国KOSPIは0.21%高の3,190.45、2021年8月以来の高値。消費者需要の回復と技術輸出の急増が要因。香港ハンセンは0.5%高の25,667.18、HSCEIは0.2%高。米EU貿易交渉への進展期待が支援。中国本土CSI300は0.71%高の4,149.04、2022年1月以来の高値、5週連続の上昇。シンガポール(+0.7%)、インドネシア(+0.9%)、マレーシアでも堅調が継続。ただし関税交渉はなお進行中。

米国の失業保険申請件数は21万7,000件に減少。先週から4,000件減、予想された増加を覆す結果。継続申請は195万5,000件で安定。雇用勢いの鈍化にもかかわらず、労働市場の堅調さを裏付け。

経済活動の加速と関税圧力がインフレ・住宅市場に影響。S&Pグローバル総合PMIは7月に54.6、12月以来の高水準。サービス業の拡大に対し製造業は49.5で縮小。家庭用品・家電の価格上昇は関税起因のインフレ圧力を反映。6月の新築住宅販売は0.6%増の62.7万戸で予想未達。住宅ローン金利の高さが購入余地を制限。住宅在庫は2007年以来の高水準。

経済指標の強さが金利不透明感を増幅し、米国債利回りが上昇。失業保険とPMIが予想を上回り、10年債利回りは4.402%に上昇。2年債は3.914%、30年債は4.947%で横ばい。インフレ加速がFRBの金融政策に与える影響をトレーダーが見極め。

原油価格は貿易期待と供給減少に支えられ上昇。ブレント原油は67セント高の69.18ドル、WTIは78セント高の66.03ドル。米EUの貿易協議に対する楽観と予想以上の原油在庫減少が背景。

本日の為替市場:

ユーロ/ドルは1.1800の抵抗直下で停滞。1.1765で終了、高値1.1789、安値1.1737、0.05%下落。長い上ヒゲを伴う狭い陰線を形成。50日SMA(1.1546)上で推移。100日・200日SMA(1.1322、1.0921)は上昇基調。トレンドは上向きだが、勢い鈍化と7月高値での反落が息切れを示唆。サポートは1.1700および50日SMA。1.1800を突破すれば次は1.1880、進展がなければ短期調整のリスク。

ポンド/ドルは1.3514で取引終了、1.3589の高値と1.3505の安値を記録し0.49%下落。100日SMA(1.3319)と200日SMA(1.2937)が下支え。1.3600からの強い反落がモメンタムの低下を示唆。7月高値1.3820を下回る低い高値が出現し、短期構造は統合局面へ。サポートは1.3450、これを下回ると100日SMAが視野。強気再開には1.3530の終値回復が必要。

ドル/円はサポートから反発するも100日平均未満で推移。146.87で取引終了、高値146.97、安値145.85、0.25%上昇。50日SMA(145.17)から反発し、147.00の100日SMA直下で停滞。長い下ヒゲの小陽線を形成。トレンド全体は依然として弱含み。200日SMA(149.56)は低下中で、7月高値149.50以降の下落基調継続。147.00超えが圧力緩和の鍵で、149.50再試を視野。一方、145.00を割り込めば下落加速し、焦点は143.50へ。

ユーロ/ポンドは上昇加速で4ヶ月ぶり高値。0.8705で取引を終了、高値0.8710、安値0.8662、0.46%上昇。抵抗帯0.8685–0.8700を突破し、4月以来の終値高値。50日SMA(0.8531)、100日SMA(0.8497)、200日SMA(0.8412)で堅調に支えられ、6月中旬以降の上昇トレンドが継続。サポートは0.8660、次のレジスタンスは0.8745。

ゴールド価格は$3,393から反落し、勢いに陰り。$3,372で終了、高値$3,393、安値$3,352、0.48%下落。連続する陰線がレンジ上限からの拒否を確認。50日SMA($3,331)上での推移が続き、100日SMA($3,234)と200日SMA($2,975)は長期的サポート。上昇トレンドは維持されるが、$3,390超えの維持失敗が買い圧力の減退を示唆。$3,330割れなら深い調整が100日平均まで進行する可能性。$3,393再突破で$3,440–$3,455が視野に入る。

市場が過去最高水準を続け、決算シーズンが本格化する中、投資家の注目は相反するシグナルの中でラリーの持続性に向けられている。強力なテック関連の業績がさらなる上昇の燃料となっている一方、著名な銘柄の急落がセンチメントの転換の早さを示している。中央銀行が慎重な姿勢を崩さない中、関税に関連するインフレ圧力が表面化しつつあり、住宅データが消費者の耐久力に生じた亀裂を浮き彫りにしている。