S&P500指数は木曜日、Nvidiaの力強い決算を契機として新たな人工知能(AI)関連の楽観が市場に広がる中で、再び史上最高値を更新して取引を終えた。投資家心理は同社への信頼感に支えられ、この企業が提示したAI成長ストーリーの持続性が強く意識された。S&P500は場中に初めて6,500ポイントを突破し、ナスダックも上昇。ダウは小幅ながらもプラス圏で推移した。Nvidiaの第2四半期決算は、控えめな売上ガイダンスにもかかわらず、堅調な成長を示しており、多数のウォール街の主要銀行が目標株価を引き上げる動きとなった。半導体を含むテクノロジーセクターが上昇を牽引し、連邦準備制度理事会(FRB)に関する不透明感や、米中間の貿易摩擦をめぐる地政学的リスクが市場の重しとなる中、それらの不安材料を相殺する構図となった。投資家の関心は、翌金曜日に発表予定のインフレ関連データに移りつつあり、金融政策の方向性を占う上での手掛かりが強く待望されている。
主な市場動向:
ダウ平均は71.67ポイント(+0.16%)高の45,636.90で取引を終了。テクノロジー株の上昇が、消費関連および工業株の軟調を部分的に打ち消したものの、他の主要指数に比べて動意は限定的だった。
S&P500は0.32%上昇し6,501.86で引け。取引中に初めて6,500ポイントを突破した。人工知能関連の需要加速を裏付けるNvidiaの業績が主因。
ナスダック総合指数は0.53%上昇の21,705.16。AIおよび半導体関連株が上昇を主導。Snowflakeが予想を上回る決算を発表し、株価は20%超上昇。Micron TechnologyとBroadcomもそれぞれ3%以上上昇。
欧州市場は、序盤の堅調にもかかわらず終盤にかけて軟化し、STOXX600は0.2%下落。FTSE100は0.42%安の9,216.82。バイオマス関連開示に関する英国当局の調査を受け、Draxが8%の急落。フランスCAC40は0.24%高の7,762.61。Pernod Ricardの好決算が市場を支援。イタリアFTSE MIBは0.2%高の42,447。ドイツDAXは24,044で横ばい。自動車セクターはポジティブな反応を見せ、EU全体で7月の新車登録が前年同月比7.4%増。中でもバッテリー式電気自動車は約40%増加。ユーロ圏の融資データも堅調で、個人向けローンは2.4%増、企業向け融資は2.8%増と、いずれも近年で最も高い伸びを記録。英国では自動車生産が7月に5.6%増加し、政府による総額2,500億ポンドの「DRIVE35」産業戦略が支援材料となった。
アジア太平洋市場は全体としてまちまちの動き。韓国銀行が政策金利を2.5%で据え置いた決定を受け、市場はその影響を消化する形で推移。日経平均株価は0.73%上昇の42,828.79、TOPIXは0.65%高の3,089.78で終了。輸出関連企業のパフォーマンスが上昇を後押し。韓国KOSPIは0.29%高、KOSDAQは0.41%下落。オーストラリアS&P/ASX200は0.22%上昇し8,980。Qantasが市場予想を上回る利益を発表し上昇。Lynas Rare Earthsは割引価格での資金調達を公表し、一時的に売買停止。香港ハンセン指数は0.79%下落した一方、中国本土のCSI300は1.77%上昇し4,463.78。インドNifty50は0.49%下落。米国がインド製品に対する25%の新たな関税を発動し、宝石、ジュエリー、電気機器分野などに下押し圧力がかかった。
米国経済と労働市場は引き続き堅調。第2四半期の国内総生産(GDP)は年率換算で3.3%の成長を記録し、予想の3.0%および速報値の3.1%をいずれも上回った。個人消費は1.6%増と、以前の見通し(1.4%)を上回り、企業は関税政策に対応する中で輸入を約30%削減。週次の新規失業保険申請件数は229,000件で、予測の230,000件を下回った。継続受給者数は約195万人に減少し、前週の4年ぶり高水準から改善。
エネルギー市場では、早朝の軟調を経て原油価格が回復。ブレント原油先物は0.84%高の1バレル68.62ドル、WTIは0.7%高の64.60ドル。ウクライナへのロシアによる新たなミサイル攻撃の報道が地政学的リスクとして意識された。9月のOPEC+の供給増加(547,000バレル/日)は重しだが、東欧の緊張が需給バランスの下支えとなっている。
債券市場では、PCE物価指数の発表を控え、米10年債利回りが2ベーシスポイント以上低下し4.209%。FRBが注目するインフレ指標に投資家の関心が集中。2年債利回りは3.637%にわずかに上昇し、短期金融政策の見通しへの慎重なスタンスが示唆された。トランプ前大統領によるFRB理事リサ・クックの解任が法的対立を引き起こし、中央銀行の独立性に関する懸念も再燃。
為替市場:

EUR/USDは0.38%上昇し1.1683で取引終了。1.1629〜1.1697のレンジ内で推移。強い陽線が形成され、買い手が市場の主導権を握った。1.1659の50日SMAを上回り、100日(1.1509)、200日(1.1029)SMAによる長期サポートが継続。8月の安値1.1500からの反発により、高値・安値が切り上がり、強気バイアスが強化されている。抵抗線1.1700が短期の上値目標となるが、これを突破すれば1.1850が視野に入る。1.1600を下回らない限り、上昇基調が継続。
GBP/USDは0.09%上昇し1.3511で引け。1.3483〜1.3531のレンジで推移し、小幅ながらも陽線を形成。50日SMA(1.3495)および100日SMA(1.3442)が短期サポート。200日SMA(1.3039)は広範な下支え。8月初旬の1.3100付近の安値からの反発が、全体のバイアスを上向きに転換。1.3550の上抜けで1.3700を目指す展開も。一方、1.3450までの押し戻しには再び買い需要が生じやすい。
USD/JPYは0.31%下落し146.93。146.66〜147.49の範囲で取引され、上値の重さを示す陰線が出現。50日SMA(146.96)が短期的な抵抗線として機能し、100日(145.48)、200日(148.93)SMAが中長期の構造を形成。現在は146.50〜147.50の狭いレンジで推移しており、上限での度重なる拒否によって上昇モメンタムが鈍化。148.93の突破がなければ、短期的には軟調バイアス継続。146.50を割り込むと、145.80までの下落リスクが高まる。
AUD/USDは0.41%上昇し0.6532で取引終了。0.6490〜0.6538のレンジで推移し、堅調な陽線が形成された。50日SMA(0.6514)を明確に上回り、100日SMA(0.6474)と200日SMA(0.6386)が下支え。0.6400付近の8月下旬安値からの反発が、2か月にわたるレンジの中心水準への回帰を示唆。レジスタンスは0.6560および0.6600。これらを明確に突破すれば、0.6650までの上昇余地が開ける。サポートは0.6500および0.6470に位置。
ゴールドは0.71%上昇の3,422ドルで終了。3,384〜3,423のレンジで推移し、セッション終盤にかけて強い陽線が出現。50日SMA(3,349)および100日SMA(3,321)を上抜け、200日SMA(3,067)も上昇基調を維持。8月中旬以降の反発で買い手が主導権を回復。3,400突破により明確な上昇バイアスが確立。次の抵抗は3,440で、サポートは3,380および3,350。3,500を目指すシナリオが視野に入り、価格が3,350を維持する限り、押し目は積極的な買い機会とみなされる可能性が高い。
木曜日のウォール街は続伸し、S&P500は終値ベースで史上最高値を更新。Nvidiaの力強い決算が、人工知能(AI)分野への市場の信認を一段と高め、テクノロジーセクター全体を押し上げた。半導体およびソフトウェア関連銘柄が広範に買われ、連邦準備制度(FRB)の独立性をめぐる懸念や、先行き不透明な貿易政策に関するリスクを相殺する展開となった。欧州市場は、企業の業績動向や規制面での新たな材料を織り込みながら、まちまちの動きに。対照的に、アジア太平洋市場では各国の中央銀行による金融政策の維持と、対米貿易に対する関税圧力の高まりが交錯し、全体として方向感に欠ける推移が続いた。米国経済のファンダメンタルズは底堅さを維持。第2四半期の国内総生産(GDP)成長率は上方修正され、週次の新規失業保険申請件数は減少。これらの指標は、労働市場と個人消費に対する引き続きの強さを示唆するものとなった。市場の次なる焦点は金曜日に発表される個人消費支出(PCE)価格指数に移っており、このインフレ指標は、FRBの次の政策判断や、現在のリスク資産ラリーが持続可能かどうかを見極める上で重要な判断材料として注目されている。




